請求したレセプトが返戻として戻ってきたとき、どのように直して再請求すればいいのかを書いていきたいと思います。
最初に、読み方は へんれい です。
読めない先生結構多いです・・・。
そして返戻の基本は修正箇所を 二重線 で消すということです。
決して修正液で直したり、正しいレセプトを印刷したりすることはせず、戻ってきたレセプトを二重線で修正して再請求するのが原則です。
今回は保険証の誤りがあった場合の返戻についてです。
多く見られるのは資格喪失後の受診、記号番号、生年月日、性別の誤りなどです。
算定した内容の返戻もありますが、算定によって異なるのでまた別の機会に書いていきます。
1、記号番号
2、生年月日
3、性別の誤りの直し方
4、資格喪失後の受診により返戻となった場合の直し方
5、保険者変更があった場合の直し方
6、給付割合違い
これらの返戻を直していきますが、直す前に大事なことは、そのレセプトを提出した時に有効だった保険証を確認して直すことです。
有効でない保険証を使ってレセプトを出した場合は、「4、資格喪失後の受診として返戻」となりますが、何回も保険変更をしている患者さんの場合は、保険証が複数枚に分かれていることもあります。
場合によっては保険証の資格を喪失してから、新しい保険証を取得するまでの間に期間があいていることもあるため注意が必要です。
間の保険証がない場合は、保険請求ができませんので患者さんから10割を自費で頂くか、医院が負担する以外ありません。
★保険証の有効期間の確認
保険証が有効であったかどうかをどこで確認するかというと
社保、国保ともに保険証に記載された「資格取得日」です。
返戻の診療月が資格取得日以降であることを確認します。
国保の場合は、有効期限がありますので、有効期限内かも確認が必要です。
※社保の保険証には有効期限はありません。
では、具体的に返戻の直し方を見ていきましょう。
Ⅰ、どうして返戻になったの?
まずはこれです。
当たり前のことですが、返戻には返戻になった理由があります。
どこに書いてあるかというと、返戻付箋というところに書かれています。
返戻付箋は、A5サイズの紙で返戻レセプトの上に糊で止めてあったり、ホチキスで止
めてあったりします。
場合によっては過誤連絡票というA4の紙の一番右側に書かれていることもあります。
返戻が届いたら、まずは、戻ってきた理由が何なのかを確認しましょう。
ちなみにA5の返戻付箋は剥がしたりしないでそのまま再提出します。
A4の過誤連絡票は外して保管してください。
Ⅱ、戻ってきた返戻が「資格関係」だった場合
返戻付箋に書かれた理由が前述した1~6の場合のことを資格関係の返戻と言いま
す。
この場合に共通して確認することは次の①~④です。
①返戻付箋を確認する。
②返戻の理由が「記号番号誤り」や「生年月日誤り」など資格関係になっている
③返戻のあったレセプトの診療月を見る。
(レセプトの一番上の真ん中に「平成OO年O月」と書かれています。)
④保険証が有効な期間かを確認する。
(例)資格取得日 平成30年2月12日 の時
レセプトの診療年月 平成30年3月 ・・・OK(この保険証で修正)
平成29年9月 ・・・NG(前の保険証を確認)
※保険証が平成30年2月12日から使えるので、それ以降はOK
それ以前はNGとなります。
月だけでなく、診療日も確認します。
(例)資格取得日 平成30年2月12日
レセプトの診療年月 平成30年2月 ・・・OK
診療日 平成30年2月12日 ・・・OK
診療日 平成30年2月11日 ・・・NG
2月12日より前の診療日だった場合は以前の保険証を確認して修正
をしてください。
保険証が月の途中で変わっている場合については「資格喪失後の受
診」の項目で記載します。
Ⅲ、では具体的に直し方はどうするのか
保険証がOKだったとして・・・
①、記号番号の誤り
その保険証に記載されている記号番号と返戻レセプトの記号番号が同じかどう
かを確認します。
社保も国保も保険証の上のほうに「記号 … 番号 … 」と記載されていま
す。
レセプトでは右上の「記号・番号」と書かれた右側の太枠の中に2段に書かれ
ています。
例)記号・番号 79-019
4222
こうなっています。
上段が記号で下段が番号です。
保険証の書かれている記号が 79-016 だったらこう直します
- 記号・番号
79-01979-016
4222
間違っている記号を二重線で消して、右でも下でも空いているスペースに正し
いものを書き込みます。
書き直すときは修正液を使ったりしないようにして、必ず二重線で修正してく
ださい。訂正印などは必要ありません。
両方間違えている場合は、両方二重線で消してその横にそれぞれ正しい記号番
号を書き込んでください。
※保険証がNGだったら
返戻のレセプトの診療をした時に有効だった保険証を持っていないか、患者
さんに確認してください。
もっていない場合は、患者さんから10割負担してもらうか、医院側が負担
するしかないです。
②「生年月日」誤りの場合
記号番号の誤りの時と同じように、その保険証に記載されている生年月日と返戻
レセプトの生年月日が同じかどうかを確認します。
社保も国保も保険証の中段に「生年月日」と記載されています。
レセプトでは左上の名前と同じ枠の右下に「4平 1.11.11」と書かれて
います。
例) 歯科 太郎
1男 4平 1.11.11
こうなっています。
保険証の書かれている生年月日が 平成4年12月11日 だったらこう
直します
歯科 太郎 4 12
1男 4平 1.11.11
間違っている生年月日を二重線で消して、上の空いているスペースに正しいもの
を書き込みます。
年号を修正するときはその前の数字も変わります。
「2明」、「3昭」、「4平」それぞれ対応した数字に書き直して
ください。
③「性別の誤り」の場合
記号番号の誤りの時と同じように、その保険証に記載されている性別と返戻レセ
プトの性別が同じかどうかを確認します。
保険証の中段の左右どちらかに「性別」が記載されています。
レセプトでは左上の名前と同じ枠の右下に「2女 4平 1.11.11」など
と書かれています。
例) 歯科 太郎
2女 4平 1.11.11
こうなっています。
保険証の書かれている性別が 「男」 だったらこう直します
歯科 太郎
1男 2女 4平 1.11.11
間違っている性別を二重線で消して、空いているスペースに正しいものを書き
込みます。
性別を修正するときはその前の数字も変わります。
「1男」、「2女」のどちらかしかありませんから、それぞれ対応した数字
に書き直してください。
④資格喪失後の受診へ続く・・・
0コメント