前の記事に、基本は歯周治療から始めることと書きましたが、具体的にはどういうことか。
例えば、主訴が「だいぶ歯医者に行ってないので虫歯があるかどうか見てほしい」という場合。
痛みはないわけですから、歯周基本検査から始めて、虫歯があれば治療することになりますね。
ただ、こんな時でも歯周治療から始めるのが原則ですから、充形や修形をやる前に、基本検査
とSCは終わらせておくべきです。
プラークや歯石がべったりの歯を治療するなんでしませんよね?
レセプトでもしっかり最低限のことをやって歯冠修復を行ったというアピールのためにも、
充形、修形の前にSCは終わらせましょう。
できれば、2回目の基本検査までは終わらせておきたいところです。
簡単な修復処置であれば、その後にSRPをしても問題はありません。
では、主訴で「歯が痛い」場合はどうでしょう。
軽度の齲蝕で、歯髄保護処置をして、CR充填で完了するのであれば、前述のとおり、SCまで
終わらせておくので十分ですが、もし、抜髄処置が必要になり、最終的にFMCなどの補綴
治療が必要になる場合はどうするべきでしょうか。
この場合、痛みがあるわけですから、最初に基本検査して・・・・なんてことはやってられ
ませんので、まずは抜髄を算定します。
そして、次回痛みが治まっていたら、歯周基本検査を行い、歯周治療に着手します。
そして、根管治療を進めている間に、可能であれば処置部位のSRPまで終わらせましょう。
そうすれば、3回目の歯周基本検査まで終わっていなくても、処置している歯のSRPまで
は終わり、補綴治療をしても問題ないと判断して、補綴物をセットしたと説明ができます。
補綴物のセットはSRPをした後、1週間以上の治癒期間を開けてください。
もし、SRPまで終わらせる時間的な余裕がない場合は、最低限2回目の歯周基本検査
までは終わらせて、補綴する歯に対してはSRPをしないようにしましょう。
このすれば、SRPが必要なほど歯周ポケットが深くないため、補綴物をセットしたと説明
できます。
以上のように、歯周治療が必要な場合はできるだけ早く2回目の歯周基本検査までは
終わらせる。
補綴治療が必要になる部位については、補綴物をセットする前にSRPまでは終わらせる。
この流れを大切にするのが、歯周治療と補綴治療で問題を起こさないようにするための、
大原則です。
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